2010年6月20日日曜日

雛のチキンレース [理由なき反抗]

まだ若かったデニス・ホッパーは(チョイ役だけど)高校生の不良グループとして白くてツヤツヤした顔を見せていた。映画[理由なき反抗](1956年公開)の主演は(伝説のカリスマ)ジェームズ・デイーンだけど、今もう一度観てどうかというと、どうということはない。[理由なき反抗]の中で反抗の理由はチャント説明されていて、それは調度の整った立派な家に暮らす中流家庭の子女のワガママなフラストレーションだった。例えば、父親の気が弱いとか、両親が不仲だとか、(不良たち)本人にとっては深刻な家庭問題なんだろうけど(そこに時代を超える)ズコッとした共感はない。[いちご白書](1970年公開)の開放感や[時計じかけのオレンジ](1972年公開)のような本能的狂気も感じられない。でもジェームズ・デイーンのナルシストぶりは磨き抜かれた化石のように(今でも)輝いている。デニス・ホッパーはこのあとジェームズ・デイーン映画とは対極の方向へ歩き始めた。そこにデニスの[理由なき反抗]をボクは見る。そう彼はワイルド(野蛮)の方向に向かったのだった。

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