2010年6月21日月曜日

ならばもう一度 [2001年宇宙の旅]

リバイバル上映ってコトバを最近聞かないね。
ボクが初めてスタンリー・キューブリック監督の[2001年宇宙の旅]を観たのは、今思えばリバイバル上映だった。初公開は1968年だからボクはまだ八歳だったのだ。(70ミリという大型スクリーンの上映だったそうだよ) 
どう思いますかミナサン。[2001年宇宙の旅]って40年前の映画なんですよ。ボクは大好きな映画だからDVDで買ってヒョコヒョコ頻繁に観ているけど古くないなあ、今でもスタイリッシュで斬新で思慮深くて不思議だなあ。
ウィキペディアによるとリバイバル公開は10年後の1978年だったらしい。ボクが十八歳の時。そうそう、たしか高校三年くらいの時だったと思う。当時は埼玉県の志木市というトコロに住んでいたから、東武東上線に乗って池袋で乗り換えて黄色い山手線で新宿まで出て映画を観ていた。映画はついでに観るモノではなく、その日の行動の大目標だった。映画館に向かう道のりでもうシネマ気分に浸っていた。[夕陽のガンマン]も[フレンチ・コネクション]も[小さな恋のメロディ]もそうやって観た。当時の劇場は入れ替え制ではなかったから、面白いと思えば席を取っておいて何回でも観ることができた。[2001年宇宙の旅]もボクはその日の最終回まで繰り返し観たと思う。[宇宙戦艦ヤマト]もそうやって観たのを覚えている。
ウィキペディアにこんなエピソードも載っていた。キューブリック監督は企画当初、手塚治虫さんに美術担当を依頼したらしい。でも異常なる忙しさで仕事をしていた手塚治虫さんは申し出を断られたそうだ。これは表向きの話だから実際の経緯はわからない。でも作品のスケールが感じられて面白いエピソードだ。
どうして最近はリバイバル上映をしなくなったのだろう。レンタルDVDの影響はあると思うけど、時代が変わって再評価されるとか、次の世代に新たにアピールするとか、いろんな効果があって思わぬ現象が起きたりるよねきっと。[2001年宇宙の旅]は予定していた600万ドルの予算を大幅に超えて1050万ドルになってしまったらしくて、これをリバイバル上映を繰り返すことでやっと回収したらしい。アマゾンドットコムのロングテール収益と似ている。一度に大ヒットをとばさなくてもジワジワと時間をかけて収益を上げるという商売の方法。これはいいよね、10年20年30年40年かけて作品を味わってもらえるなんてステキだね。懐古趣味っていうのは思い出して懐かしんで楽しむんだけど、リバイバルは更に新しい価値観(表現の質)を生み出す可能性だと思うな。リメイクはまた別のハナシ。

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