2010年6月20日日曜日

チェック柄のテーブルでは [コーヒー&シガレッツ]

ちょっと一服って何気ない光景だけど特別な時間だと思う。お茶の時間に交わされるトリトメのない言葉の群れは書記官が書き留めることもなく大概スグに忘れてしまうけど大切な時間だとみんな感じていて、だから世界中で習慣として定着している。ちょっとひと息入れてオシャベリをするのはとても楽しいヒトトキだ。ジム・ジャームッシュ監督の[コーヒー&シガレッツ](2005年公開)はコーヒー(または紅茶)を飲みながら特に煙草を吸いながらオシャベリする二人(または三人)の様子を漫然と眺める映画である。11の場面がフワリフワリとそよ風のように入れ替わる構成で、それぞれに脈絡(つながり)はない。オムニバスとか短編集といった味わいで楽しめるようになっいる。詩集に近いかもしれない。会話の内容もマチマチで一貫性がないけどユーモアのセンスがキラキラ光っているから、ボクはニタニタ笑いながら最後まで見続けた。役者の顔ぶれと演技力による格別の表現がこの映画の特徴だけど(観ればわかるから)詳しく説明するべき要素ではない。そういえば全編モノクロームだったなと見終わってから思った。

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