2010年6月20日日曜日

群衆のコドク [タクシードライバー]

街はブレている、流れている。言葉は行き場を失ってガスのように漂っている。人は笑っていても泣いている。せつないサックスが聞こえてくる。ボクが映画[タクシードライバー](1976年公開)を観たのは17歳の時だっだ。マーチン・スコセッシ監督もロバート・デニーロも、もちろん(12歳の)ジョディ・フォスターのことも知らなかった。ベトナム戦争のことだってよく知らなかったから(高校生のボクは)ビックリした。映画ってスゴイと思った。何がスゴイのかウマク説明できなかった。説明できなくてもヨイと思った。(今だってできない) 高校生のボクは、世の中にはドウニモナラナイコトがあるんだということを知った。ドウニカナルもんだということも知った。ためになる映画だったのだ。ニッポンの(埼玉の)高校生にとって、こんな(血みどろの)暴力シーンが身のまわりに起こることはない。だけどボクは共鳴した。環境設定がまるで違うのに、ボクの気持ちを(ボクのために)描いた映画だと思った。

0 件のコメント:

コメントを投稿