2010年6月20日日曜日

レイチェルは生きている [ブレードランナー]

リドリー・スコット監督の[ブレードランナー]は1982年公開だからもう28年前の作品だ。オールド香港をイメージしたという酸性雨降りしきる近未来都市では大型スクリーンが宙に浮いていて[強力わかもと]の野外CMは白塗りの芸者が錠剤をポリポリ囓っていた。ボクはとても驚いたし新しい映画が登場したと思った。未来世界が賑やかな廃墟として描かれていて退廃と混沌に生命観があった。歴然とした階級社会だけどみんなそれなりに生きている悪くない世界だ(とボクは感じた)。レプリカントは反発するけどレプリカント自身も完全解決を望んでいたワケじゃない。反発して見せただけだった、無邪気な子供のように。レプリカントは自分を人間だと信じているか信じたいと思っている。レプリカントは人造人間だから思い出がない。他人の思い出情報を入力されたり証拠資料としての家族写真なんかを持たされる。でも、いくらその写真を見つめてもレプリカントにはしっくりこない、人間にだってしっくりこないことはたくさんある。悲しいときに人間は泣く。そういえばレプリカントも涙ぐんでいた。ブレードランナーとはレプリカントを追跡する捜査官のこと。ハリソン・フォードは追跡しすぎて同化してしまった。

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