熱帯のジャングルに分け入って、ひたすら歩くというチェ・ゲバラの革命は論理より肉体だった。
ボクの知っているスティーブンという名の監督の中で一番好きなスティーブン・ソダーバーグの[チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙](2009年公開)は粘膜に触れる。
スティーブンの作品は[セックスと嘘とビデオテープ]も[ソラリス]も[カフカ]も孤高感がボクの好みだ。友達は一人いれば充分だという毅然とした態度のこと。
ジャングルの革命は、必要なときにだけ笑うチェの笑顔によって同士がシュワシュワと増えていく。すでにボクも同士だ。強い人の笑顔は素敵なのだった。ジャングルは深い森だから精霊が宿っている。死者の声に導かれてチェは歩み続ける。森の中で生と死の境界は曖昧だ。だからチェの革命はリアリズムを超えて無意識の領域に踏み込んでいる。果てしない世界だ。
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