2010年6月20日日曜日

ユメは3Dかな [アリス イン ワンダーランド]

[不思議の国のアリス]は[おむすびころりん]と似ている。白い小さな動物を追いかけていると木の根方の穴に落っこちて別世界に入り込んでしまう。[アリス]はウサギで、[おむすびころりん]はネズミだ。だから[おむすびころりん]は[ネズミ浄土]とも呼ばれる。その別世界は楽園なのだけれど勝手が違いすぎて、やがて元の世界に帰りたくなる。「ああ、ナンダカンダ言っても、やっぱり現実の世界の方がいいな」というような啓蒙的な結末は後から誰かが付け足したモノだと思う。元々はマッドでクレイジーな物語だった筈だ。あの世とこの世の彼岸をヒョイッと飛び越えてしまうところに物語の妙味があるのだ。
ディム・バートン監督の映画[アリス イン ワンダーランド]は存分にマッドでクレイジーな映画だった。キチンと残酷だしユーモアは正統で、理屈っぽくないし正義漢も登場しない。欲望とワガママも魅力なのだ。ボクはその正直な世界観を充分に堪能した。今ハヤリの3D上映だったけど、別に3D上映じゃなくてもいいと思う。あの野暮ったくて重たいメガネ型装置を2時間かけているのはシンドイし頭がクラクラしてくる。なによりもスクリーンが暗く見えるのは問題だ。細部の描写も曖昧になる。ハヤリは長く続かないだろう。もちろんジョニー・デップは最高さ。

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