2010年7月24日土曜日

死ナナイ仕様 [デスプルーフ]

アメリカンな女の子たちの溌剌なオシャベリが、甲高い嬌声の強震な鼓動となって拍を刻む[デスプルーフ](2007年公開)は、言葉が意味を超えて波動だったよ。感情表現のエフェクトとして言葉を乱射するのはタランティーノ監督の得意技だけど、今度は身体的な人間楽器によるコミュニケーション実験だから、声色とビートと肉弾戦がマゼコゼの旋律になって軽快に奏でられるよ。古くて新しい悪魔のささやき感覚だね。登場人物はみんな、馬鹿馬鹿しいほどに正直だから滑稽だし悲しいし美しい。CGなんかじゃないナマの小娘によるスタントアクションの激突カーチェイスは大脳を経由せずに腹部を貫通してダイレクトに肝に刺さる悦楽だよ。ブラボーと叫べばタランティーノはニタリと笑う筈さ。

0 件のコメント:

コメントを投稿