2010年7月8日木曜日

田園に伏す [腑抜けども、悲しみの愛を見せろ]

[腑抜けども、悲しみの愛を見せろ](2007年公開)ズガッと肝をかち割る刮目のタイトルだねえ。
ニッポンの農村に夏が来た。というノホホンとした情景気分に浸る間もなく、父と母はトラックにひかれてバラバラ死体だったし、兄は黙々と炭を焼きまくるし、兄嫁は鼻歌交じりで呪い人形だし、妹はジット見ているし、ワタシはバスに揺られて眠ってしまう。兄はナガセだし兄嫁はナガサクだし私はサトエリだ。明快なエピソードがCM的なビジュアルでスパスパと小気味よく展開する、いわゆる21世紀ムービーである。
ジャンルは負け犬シネマだけど態度がイサギヨイ。堂々としていて風格がある。こんな映画がニッポンにも登場してくれて、まことにヨロコバしいです。扇風機がぷうんとまわるカットが心に凍みます。夏には夏の物語。庶民には庶民の共感を。

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