2010年7月6日火曜日

白か黒か [龍馬暗殺]

[龍馬暗殺](1974年)は毒々しいモノクロだった。
地殻変動のような幕末の胎動が白と黒の強烈コントラストによって極められている。個人は常に理想と現実の狭間に押し込められて困っちゃうけど、肝心なのは意気なんだよ。意気込みなんだよ。ヌラリと身をかわして緩衝地帯から高みの見物を決め込むヤカラも中にはいるけど、だがしかし、龍馬を描くシネマの立ち振る舞いはどうだ。どうみてもケツをまくった脱藩的映像表現だ。開き直ってモノオジしない。客観的とか歴史的とかヤヤコシイことをキッパリ否定して、物語を主観の制御下においた。破れかぶれの突進力がスゴイ。暗いトコロで殺すから暗殺なんだ。

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