2010年8月2日月曜日

泣き女が待ち遠しくて [マルホランド・ドライブ]

さあデビッド・リンチ監督の[マルホランド・ドライブ](2002年日本公開)だよ。どこから手をつけてよいか途方に暮れるな。入り口と出口の見分けがつかないのだよ、この映画。でも、どこから手をつけても許してもらえるだろう。(誰に?)
60年代風のダンスコンテストがファーストシーンだけど、背景はなくてムラサキ一色だ。喝采を浴びるブロンドのベティ(ナオミ・ワッツ)は露出オーバーに輝いている。
次のカットは薄暗い部屋の無人のベッドだけど枕もシーツも乱れているぞ。
さらにシーンが変われば、夜のマルホランド・ドライブの走行主観だ。マルホランド・ドライブとはロス・アンジェルスの街を見渡す丘の坂道。ハリウッドまで続いている道らしい。
黒髪の美女が虚ろなマナザシで高級車の後部座席に座っている。助手席の男に拳銃を向けられて、撃たれるのかと思ったら突然対向車がぶつかってきた。この事故で、黒髪の美女は撃たれずに済んだけど記憶を失くしてしまう。記憶はなくても狙われている切迫感はあるようで、主人が出かけた一軒家にソソッと忍び込み身を潜めた。
この家がベティの(裕福な)叔母の家である。ハイスクールのジルバ大会で優勝したベティは、カナダのオンタリオから映画俳優をメザして上京するのだ。旅行に出る叔母の家にしばらく滞在することにしている。
そのベティの(裕福な)叔母の家に黒髪の美女が(記憶をなくして)忍び込んだのだよ。ここまでが基本的な状況設定だね。
ファミリーレストランでは純朴そうな男が熱心に夢の話をしている。マントを被った黒こげの人物が一瞬デジャブのように現れる。
ホラホラ、リンチらしくなってきたぞ。そういえば最近デジャブを見ていないな。年をとると見なくなるのかな、飛ぶ夢も見なくなったな。
というところで、ちょっと出かける用事があるので、ひとまず今日はここまで。
続くよ。次は地下の、カーテンに囲まれた部屋の、車イスの小さな男のシーンから始めよう。

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