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2010年6月22日火曜日

ヒーローの笑顔 [チェ Che]

熱帯のジャングルに分け入って、ひたすら歩くというチェ・ゲバラの革命は論理より肉体だった。
ボクの知っているスティーブンという名の監督の中で一番好きなスティーブン・ソダーバーグの[チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙](2009年公開)は粘膜に触れる。
スティーブンの作品は[セックスと嘘とビデオテープ]も[ソラリス]も[カフカ]も孤高感がボクの好みだ。友達は一人いれば充分だという毅然とした態度のこと。
ジャングルの革命は、必要なときにだけ笑うチェの笑顔によって同士がシュワシュワと増えていく。すでにボクも同士だ。強い人の笑顔は素敵なのだった。ジャングルは深い森だから精霊が宿っている。死者の声に導かれてチェは歩み続ける。森の中で生と死の境界は曖昧だ。だからチェの革命はリアリズムを超えて無意識の領域に踏み込んでいる。果てしない世界だ。

2010年6月20日日曜日

月のミチカケ [ウルフマン]

ベニチオ・デル・トロは男でもシビレル艶のある俳優だ。満月の夜は狼男にナル。映画[ウルフマン](2010年公開)は獣と人間に境界などないのだと主張する。そう言われればそうだと思う。獣のような人間とか人間的な獣ってイル。ベニチオ・デル・トロはその両方を演じた。演じたというよりナッタ。狼男にナッタ。ちなみに映画の中の役柄も俳優である。アンソニー・ホプキンスも出てくる。狼男の父親。最初のセリフは「おかえり息子よ」である。狼男の血族デル・トロとホプキンス、強烈な体臭を放つ父親と息子は、そりゃ対決するだろう。父親と息子とはそういうモノだ。獣だか人間だかわからないモノ同士の決闘は満月の夜に繰り返されている、今でも。